漆のはなし
 

●漆とは?

漆の正体はなにか。

簡単に言うと漆の木の表面に傷をつけたときにそこから出てくる乳白色の樹液です。

樹液は空気と湿気に触れると黒っぽく変色して固まっていき、一度固まった漆は溶かすための溶剤が無いほど非常に硬くなります。

この性質を利用して、寺社仏閣などの建造物から食器にいたるまでのコーティング剤や接着剤として利用されてきました。

その歴史は古く、函館市の遺跡からはなんと約9,000年前の漆の副葬品が出土しています。



ちなみに、この樹液は触れると皮膚がかぶれますが、硬化すると漆の液に含まれる酵素の活性が止まるため、製品になったあとでかぶれることはまずありません。
 

もし仮にかぶれてしまったら。
残念ながら特効薬はありません。


ただただかゆみを我慢するのみです。
早ければ4〜5日。
長ければ約2週間。

痕は残りませんのでご安心を。

 



●なぜ漆を塗るのか?

漆と合成塗料では何が違うのか?

色をつけるだけなら合成塗料でも十分です。

漆には塗った直後よりも、使用して数年経過したほうが塗膜が固くなり、光沢も出るという特徴があります。

逆に、合成塗料は塗ったすぐが最もきれいで、その後年数とともに劣化していきます。

また、漆には抗菌・防腐効果があるので、木地を長持ちさせる効果もあります。

残念ながら合成塗料がこれらの効果を上回ることはなく、今もなお漆に勝る合成塗料はないと言われています。

大事に長く使いたいものほど漆塗りが適しているのです。


 



●漆搔き

樹液を採取するための漆搔き(うるしかき)は、毎年6月〜10月にかけて10年以上育てた木から行ないます。

1本の木から採れる漆の量は約200gで、多くの場合1シーズンで伐採します。

一度切り倒すのですが、漆の木はそれで死ぬわけではなく、孫生え(ひこばえ)と言って、春にはまたその切り株の周りから新しい芽が生えてきますので、それをまた育てるという循環でその命を生かしていきます。



漆搔きを終えた木【黒く硬化した漆の樹液 】


【溝に沿って爪状の道具で漆の樹液をすくっていきます】


【漆搔きの時期が過ぎたら木を伐採します】

 

●漆の精製

漆の樹液には、掻いたときの木くずなども一緒に入っており、そのまま使うことができないため、濾過と精製を行ないます。

採取した漆の樹液から木くずなどの不純物を濾過したものを「生漆(きうるし)」といい、下地塗りの材料にしたり、摺り漆(=拭き漆)に使用します。

摺り漆とは、漆塗りの中では比較的簡素な塗り方のことで、生漆を摺り込んでは紙や布で拭き取るという工程を繰り返して仕上げます。

生漆にしたのち、撹拌したり加熱して水分を飛ばしたりして精製し、透き通った飴色の漆にします。

それを「透き漆(すきうるし)」といい、この精製過程において鉄粉や水酸化鉄を加えると酸化反応によって黒い漆が出来、透き漆に顔料を加えると色漆が出来ます。


 


●漆のこれから

現在、日本で使用されている漆のほとんどは中国産で、日本産は全体のわずか数%にすぎません。

日本においては、今から5,500〜7,000年前の縄文時代前期にはすでにその技術があったとされ、約9,000年前の遺跡から漆を使用した副葬品が出土するなど、古くから日本人にはなじみ深いものとなっています。

文化庁は2018年度より、日本の「国宝・重要文化財建造物の保存修理には原則として国産漆を使用すること」としましたが、国産漆の生産量が年間約2tのところ、国宝・重要文化財建造物の保存修理に必要な漆は年間約2.2tであり、残念ながら足りていません。

そこで、最近では全国各地で漆を植栽し、増やす活動がすこしずつ行なわれています。




【下草刈りなど手入れされた漆の畑】


しかしながら、漆の木を植えても、その木を育てるための人手や漆搔きの職人が足りていなかったり、その道具を作る職人の後継者がいなかったり、まだまだ問題はあります。


【漆の木の皮を削ぐための鎌】


はし藤本店でも国産漆を使用した箸を販売することで、少しでも国産漆の増産に貢献していきたいと考えています。


真室川産漆 摺り漆箸 四角 23cm
山桜 頭角合格箸(十角五角箸) 24cm
浄法寺産漆 能登ヒバ摺り漆箸 八角 22cm・24cm
塗箸 奥久慈産漆 鉋目木地呂箸 24cm 
塗箸 漆の木を植える箸 ドット 18cm・22.7cm
塗箸 漆の木を植える箸 ボーダー 18cm・22.7cm
八角縞黒檀 浄法寺漆仕上げ 22cm・24cm



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